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@ 基本的なルール
遺産分割協議の原則は必ず法定相続人全員が協議に参加することです。
協議開始の呼びかけは法定相続人の誰であってもかまいませんが、法定相続人全員が協議に参加しなかった場合には行われた協議自体が無効になりますので注意しましょう。
しかし、必ず本人が協議に参加しなければならないということではなく、代理人を立てることも可能ですし、書類を郵送することで協議を行うことも可能です。
その他、以下のような注意すべき事項があります。
法定相続人の中に未成年がいる場合
未成年が単独で協議に参加することはできません。
必ず代理人を立てることが必要になります。
通常は親権者が代理人になりますが、もし親権者も法定相続人である場合は親権者は代理人となることはできず、家庭裁判所に代理人となる者(特別代理人といいます)を選任してもらうことになります。
遺産分割協議を行うことができないケース
遺産分割協議は自由に行うことができますが、以下の場合には遺産分割協議自体を行うことができません。
1.法定相続人の中に胎児がいる場合
胎児が生まれるのを待って、その後代理人を立てることになります
2.遺言で遺産分割の協議をすることが禁止されている場合
3.法定相続人全員で遺産分割の協議をすることを禁止した場合
A 寄与分
被相続人の財産の維持や増加に特別に貢献したと認められる法定相続人に法定相続分を超える額の財産を取得させようとする制度です。
例えば、被相続人の家業を息子が協力していたというような場合です。
寄与分は相続開始から当然に認められるものではなく、遺産分割協議の中で認められるもので、その内容や程度についても協議の中で決めることになります。
B 特別受益
法定相続人の中で、被相続人から生前贈与をうけ、または遺言によって財産をもらっている場合、その法定相続人は既に相続財産をもらった者として扱われる制度で、遺産分割において法定相続分が修正されることになります。
特別受益の対象となる財産及び具体的な精算方法は以下のとおりです。
特別受益の対象
1.遺言書によってもらったもの
2.生前贈与によってもらったもの
※2の場合については結婚や養子縁組のため、または生計のための贈与(例えば家を買う時に援助してもらったなど)に限られます。
精算方法
計算方法は以下の計算式によることになります。
特別受益を受けた者の具体的な相続分
=(相続財産 + 生前贈与・遺贈)× 法定相続分 − 生前贈与・遺贈
特別受益を受けていない者の具体的な相続分
=(相続財産 + 生前贈与・遺贈)× 法定相続分
C 分割方法
遺産分割協議は分割方法についても自由に決めることができますが一般的に次の4つの方法が取られます。
1.現物分割
相続財産の形を変えずにそのまま分割する最もシンプルな方法です。
例えば預金1,000万円は長男が、500万円は次男が、家は配偶者が相続するというような場合になります。
2.代償分割
法定相続人の中の1人または数人がすべての財産を相続し、残りの法定相続人にその代償金を支払うという方法です。
例えば長男が家業を継ぐため唯一の財産であった工場とその土地を相続し、他の相続人に対しては長男から代償金を支払いというような場合になります。
3.換価分割
財産の全て又は一部を売却し、それぞれの相続分に応じて分配する方法です。
例えば土地を4,000万円で売却して、その売却代金の中から2,000万円を配偶者に、1,000万円を長男に、1,000万円を次男に分配するような場合になります。
4.共有分割
財産のすべて、または一部を法定相続人の全員または一部で共有取得するという方法です。
例えば土地の持分の2分の1を配偶者、4分の1を長男、4分の1を次男で共有するというような場合になります。
遺産分割協議書作成のルール
1.誰が、何を、どれだけ相続するか明確にしなければなりません。相続財産の中に不動産がある場合は登記簿謄本に記載されている通りの内容で記載しましょう。
2.用紙に特に指定はありません。また、書き方も自由になります。
3.相続人全員が署名・押印(必ず個人の実印で)しなければなりません。
4.各相続人について印鑑証明書を用意しておきましょう。
■ 調停・審判(協議が決裂した場合)
遺産分割協議は法定相続人全員で行うことにより有効なものであるので、遠い親戚のような他人同然の人間が相続人であった場合には遺産分割協議が決裂する場合も多くあります。
遺産分割の協議がどうしても整わない場合には法定相続分で相続財産の分配をすることになりますが、家庭裁判所に調停・審判の手続きを申し立てることで、遺産分割協議に変わる判断を裁判所にしてもらうこともできます。
法定相続人であれば誰でも調停・審判を申し立てることができます。
調停
法定相続人の協議に、家庭裁判所の審判官と調停委員が第三者として同席し、話し合いがうまくまとまるようにアドバイスして手続きを進めます。
結論はあくまで法定相続人に任せるというもので、協議が不調に終わると自動的に審判に移行することになります。
協議がうまくまとまった場合には家庭裁判所において調停調書が作成されます。
調停調書には法的な強制的な力があり、法定相続人はその内容に必ず従わなくてはならなくなります。
審判
調停がうまくまとまらなかった場合の手続きということになります。家庭裁判所の審判官によって事実関係の調査が実施され、その後審判官の判断により遺産の分割が強制的に行われるというものです。